うさぴょん号発進せよ
(一応はこれで安心、かな?)

まだ油断はできなかったが、先程よりはかなり安定した場所のようだった。

突き当たりでミシッ…と、何かが当たり、少し動くような感じがした。

振り返ると、

「扉?」

そこには、周りの壁とは明らかに違う材質の、小さなドアのようなものがあった。

取っ手はなかったのだが、真ん中に切れ目があり、紙のような物が貼り付けられている。

『どうした?』

トヲルの呟きに、コウヅキが反応した。

「うん、なんか…」

そう言いながら、その扉を軽く2、3回押してみると、やはり少し動くようだ。しかし、それが開くような気配はなかった。

「崖に扉のようなものを見つけたんだけど」

『何?』

「それに真ん中辺りに、紙みたいなモノも貼ってあって…」

『しょれ、取ってくるでち』

トヲルの言葉を途中で遮り、船長が言った。
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