うさぴょん号発進せよ
トヲルは出た途端に安心したのか、その場にへたり込んでしまった。

と、今度は大きな揺れが起きた。物凄い地響きが、身体を伝って感じられる。

もしかすると、先程までトヲル達の居た場所が、とうとう崩れだしたのかもしれない。

とにかく逃げるときには、無我夢中だった。

まだ身体の震えは止まらない。今になって恐怖感が、全身を包み込んできた。

『あのさあ、トヲル』

うずくまっているトヲルを眺めていたコウヅキだったが、漸く話し掛けてくる。

「なに?」

まだ肩で呼吸をしているトヲルは、そのままの体勢で返事をした。

『その…』

コウヅキにしては珍しく、何故か言いにくそうな口調である。

『お前の背中に、何か乗ってるぜ』
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