うさぴょん号発進せよ
先程のコウヅキは、確かに両親が逃げたというようなことを言っていた。しかもコウヅキの『相棒』とやらが手引きをして。

それに、その『相棒』は元から両親と知り合いだったという。

一体どのような関係なのか。そして、どういうことなのか。

トヲルがもっと詳しく聞こうと、口を開きかけた瞬間、

「おっと」

突然、コウヅキのしている腕輪から電子音が鳴った。外部から通信が入ったのである。

まだ持っていたナイフを近くのテーブルの上に置きながら、慣れた手つきで腕輪に触り、画面を出した。

「なんだあんたか。…ああ、うん、今………なんか知らない感じだぜ?
……はぁ?なんだよソレ……わかったよ。……えっ、ついで?なんだよ、何の冗談だよ。
……!……ちっ、解ったよ。やりゃあいいんだろ、やりゃあ……」

コウヅキの怒声は時折聞こえてくるが、相手の声が聞こえてこないので、トヲルには誰と会話をしているのかまでは解らなかった。
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