うさぴょん号発進せよ
コウヅキは既に着替えも終わり、シャワーを浴びに行くと言って、出て行った。
現在この更衣室にいるのは、トヲルと小動物だけである。
小動物は隅のほうで目を閉じ、瞑想でもしているかのように、静かにそこへ佇んでいる。
トヲルが船長の申し出を断ったのは、引き渡す前に、小動物の話をもっと詳しく聞きたかったからだ。しかし着替えながらも、ソレに何と言って話し掛ければよいのか、まだ悩んでいた。
《やはり我の力、もう完全には戻らぬようじゃな》
徐に目を開け、小動物が諦めたように、最初に口を開いた。
《我は其方に感謝しておる》
「え?」
突然話し掛けられ、トヲルは驚いて聞き返した。
現在この更衣室にいるのは、トヲルと小動物だけである。
小動物は隅のほうで目を閉じ、瞑想でもしているかのように、静かにそこへ佇んでいる。
トヲルが船長の申し出を断ったのは、引き渡す前に、小動物の話をもっと詳しく聞きたかったからだ。しかし着替えながらも、ソレに何と言って話し掛ければよいのか、まだ悩んでいた。
《やはり我の力、もう完全には戻らぬようじゃな》
徐に目を開け、小動物が諦めたように、最初に口を開いた。
《我は其方に感謝しておる》
「え?」
突然話し掛けられ、トヲルは驚いて聞き返した。