うさぴょん号発進せよ
第2節 理由も聞かされぬままに
(はぁ…、何故こんなことに。しかも何故僕まで一緒に)
トヲルは地面を見詰め、とぼとぼとコウヅキの後をついて行きながら、心の中で愚痴った。
(あー、もう10時13分じゃないか。朝食も食べてないのに…)
「腕輪(リング)見てるヒマあったら、とっとと歩くっ!」
ポカッという軽快な音が、人工的な青空に響き渡った。
先程まで前を歩いていたはずのコウヅキが、いつの間に戻ってきたのか、またもやトヲルの頭を殴ったのだ。
(ううう、さっきから非道いよ。自分だって、見ながら歩いているくせに)
自分の、コウヅキよりは少し短めの、ダークブラウンの髪を押さえながら、恨みの籠もった目線を投げつけた。
だがコウヅキは既に後ろを向いた後なので、トヲルの視線には全く気付いていない。
「お、ここだ、ここだ」
そんなトヲルの胸中を知っているのかいないのか、少し先を行っていたコウヅキが、突然立ち止まる。
トヲルは地面を見詰め、とぼとぼとコウヅキの後をついて行きながら、心の中で愚痴った。
(あー、もう10時13分じゃないか。朝食も食べてないのに…)
「腕輪(リング)見てるヒマあったら、とっとと歩くっ!」
ポカッという軽快な音が、人工的な青空に響き渡った。
先程まで前を歩いていたはずのコウヅキが、いつの間に戻ってきたのか、またもやトヲルの頭を殴ったのだ。
(ううう、さっきから非道いよ。自分だって、見ながら歩いているくせに)
自分の、コウヅキよりは少し短めの、ダークブラウンの髪を押さえながら、恨みの籠もった目線を投げつけた。
だがコウヅキは既に後ろを向いた後なので、トヲルの視線には全く気付いていない。
「お、ここだ、ここだ」
そんなトヲルの胸中を知っているのかいないのか、少し先を行っていたコウヅキが、突然立ち止まる。