うさぴょん号発進せよ
「この空間内でかなり不安定な磁場が、いくつか観測されているみたいなの。
同時に通常では考えられないくらい、かなり高レベルなベクトル数値も確認できるわ。
圧縮率も加速度的に高くなり、更には膨張現象も始まっているようね。
それが原因で、この流れにも影響を及ぼしているみたい」

「あの、それってつまり、どういうこと?」

きょとんとした顔で、ミレイユが質問した。

「簡単に言うと、あと6時間30分くらいでこの空間は爆発する、ということかしら」

「爆発!?」

3人が同時にハモって言った。

「これは私にとっても、全くの予想外なことだわ。
普通なら簡単に抜け出せるこの空間を、高密度な磁場が膨張し、なお且つその流れを不規則にさせている。
何故そのような現象がここで起こるのか、どのようなエレメントが関係しているのか…現段階では、データ不足で正確には分からないけれど。
過去にもそういう事例がいくつか報告されているとはいえ、滅多に起こる現象でもないのよね」

ヴェイトは額に手を当てながら、独り言のようにブツブツと呟いている。

「ここが爆発したら、この空間はどうなるんだ?」
< 221 / 352 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop