うさぴょん号発進せよ
(…それにしても、やっぱり繋がらないや)

先程から両親には、何度も連絡を取ろうと試みていた。

しかし、意図的に腕輪本体の電源を切っているのか、通信できない場所にいるのか。どういう理由かは分からないが、とにかく繋がらないのである。

1週間前には、2〜3回は連絡していたから、少なくともそれまでの通信は可能だったはずだ。

その後は、「夫婦水入らずの旅行だから…」という理由で、何の連絡がなくても、不審にすら思わなかったのだが。

トヲルが仕方なく諦めて膝を抱え、向かいにある塔の先端部分を仰ぎ見ながら、ボンヤリとしていると、

ドゥンッ。

突然、轟音が辺りに響いた。
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