うさぴょん号発進せよ
確かにこの空間内は、多少の危険があるかもしれない。しかしこのように、頭ごなしに反対するほどのことではないように思える。

「コウヅキ…あの、そんなに言わなくたっていいんじゃないかな?それにもうすぐ惑星に到着するんだし、ここで降りろ、なんて言うのは無茶だよ」

「関係ないヤツは口出すなっ!」

即座に一喝してきた。トヲルは振り向いたその眼に、金縛りにでもあったかのように硬直する。

「だが」しかし直ぐにその表情を緩めて顔を背け、再び前を向くと、

「確かにここで降りるのは、無茶苦茶かもな。かといって、今更引き返すこともできねえしな」

頭をカリカリと乱暴に掻く。

「ったく、ここまで来ちまったんじゃ仕方ねぇな。ちゃっかり服も装着してるしな」

「!お兄ちゃん」ミレイユが顔を輝かせた。

「但し!俺の言うことをちゃんと聞くんだぞ。じゃないと、本当にここへ置いていくからな!」

多少自棄気味な口調で、言い放った。
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