うさぴょん号発進せよ
第4章 対峙
第1節 地下通路
「ふふふっ、楽しみっ」
楽しそうな少女の声だけが、そこから響いてきた。
宙に浮いた無数のモニターが、周りを取り囲んでいる。
その部屋の中にある灯りは、たったそれだけだった。しかし周囲を見渡せるほどには、十分な明るさである。
少女は何かを乗せるかのように、胸の辺りで右掌を上に向けた。
すると何もない空間の中から、闇に溶け込みそうなほどに黒い、炎のようなものが浮かび上がってきた。その炎の玉は掌の上でゆっくりと揺らめきながら、徐々に大きくなってくる。
しかし。
「あら?」
少女が小さく声を上げると同時に、炎の成長もピタッと止まった。瞬間、ボウッという音と共に、それが空中へと掻き消えた。
「またおトモダチが来たみたい」
モニターを見詰めながら少女は、新しい悪戯を思いついたかのように目を細めて、無邪気に笑った。
楽しそうな少女の声だけが、そこから響いてきた。
宙に浮いた無数のモニターが、周りを取り囲んでいる。
その部屋の中にある灯りは、たったそれだけだった。しかし周囲を見渡せるほどには、十分な明るさである。
少女は何かを乗せるかのように、胸の辺りで右掌を上に向けた。
すると何もない空間の中から、闇に溶け込みそうなほどに黒い、炎のようなものが浮かび上がってきた。その炎の玉は掌の上でゆっくりと揺らめきながら、徐々に大きくなってくる。
しかし。
「あら?」
少女が小さく声を上げると同時に、炎の成長もピタッと止まった。瞬間、ボウッという音と共に、それが空中へと掻き消えた。
「またおトモダチが来たみたい」
モニターを見詰めながら少女は、新しい悪戯を思いついたかのように目を細めて、無邪気に笑った。