うさぴょん号発進せよ
「何っ!?まだ仲間がいたかっ!」

そのヒトは、落下の途中でトヲルに気付いたが、気付くのが一瞬遅かった。

トヲルもその場で立ち尽くしたまま、逃げることができなかったために、真正面から衝突し、二人はその衝撃で地面に転がった。

幸いにも落下してきたのは2階だったため、速度はそれほどでもない。

「ツっ」

程なくしてそのヒトは、頭を振りながら身体を起こしてきた。

トヲルも頭を押さえながら、続いて起き上がろうとしたのだが、

「おいっ!ソイツを捕まえるんだ!」

コウヅキの声が、上の方から聞こえる。

見上げるといつの間にかコウヅキが、その落ちてきた2階の窓から身を乗り出していた。
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