うさぴょん号発進せよ
「オヤジ?」
「あの娘は化け物だ。黒い炎に掴まる前に、早く逃げるんだ」
「おい、どういうことだよ。それにあの娘は、一体なんなんだよ」
タスクの言っている意味が、コウヅキには分からなかった。
「とにかく今は時間がない。この部屋にある制御装置は、まだ生きている。そいつで下りている隔壁を操作すれば、ここから出られるはずだ」
コウヅキの質問には答えずに、タスクは中央付近に浮かんでいるモニターの方を指差した。
「だから、早く…」言いかけ、タスクはまた噎せ返り吐血する。
「オヤジっ!」
「俺のことは構うな。ミレイユを連れて、早く行け!」
「お父さん、そんなのやだよ。出来ないよ!」
ミレイユが必死になって、タスクに縋り付く。
「それにこの空間は、直に消滅するんだ。こんな場所にオヤジ一人を、置いていけるわけねぇだろ!?」
《もう、遅いかもしれぬな》
ペルギウスの低い声と同時に、この部屋に最初に入ったときよりも、更に強烈な異臭がしてきた。
トヲルはそこでようやく我に返り、振り向いた。
「あの娘は化け物だ。黒い炎に掴まる前に、早く逃げるんだ」
「おい、どういうことだよ。それにあの娘は、一体なんなんだよ」
タスクの言っている意味が、コウヅキには分からなかった。
「とにかく今は時間がない。この部屋にある制御装置は、まだ生きている。そいつで下りている隔壁を操作すれば、ここから出られるはずだ」
コウヅキの質問には答えずに、タスクは中央付近に浮かんでいるモニターの方を指差した。
「だから、早く…」言いかけ、タスクはまた噎せ返り吐血する。
「オヤジっ!」
「俺のことは構うな。ミレイユを連れて、早く行け!」
「お父さん、そんなのやだよ。出来ないよ!」
ミレイユが必死になって、タスクに縋り付く。
「それにこの空間は、直に消滅するんだ。こんな場所にオヤジ一人を、置いていけるわけねぇだろ!?」
《もう、遅いかもしれぬな》
ペルギウスの低い声と同時に、この部屋に最初に入ったときよりも、更に強烈な異臭がしてきた。
トヲルはそこでようやく我に返り、振り向いた。