うさぴょん号発進せよ
コウヅキが倒れているミレイユを庇いながら、そこに襲ってくる死体達を倒しているのが見える。
トヲルは開いているエレベーターの前で座り込み、呆然とその光景を眺めていた。
何故か自分一人だけ、逃げようという気にはなれなかった。
コウヅキの放った銃が、こちらに向かって床を滑ってきた。それは丁度座っているトヲルの膝に当たり、止まった。
自分にはもう、何も残されてはいない。
先程まで停止していた思考が溶けるように、ゆっくりと動き出すのを感じる。
(父さんも母さんも伯父さんも、もういないんだ)
目が、両親の姿をしたモノ達を捉えた。
不意に以前、ペルギウスが言った言葉を思い出した。
《「生きた証」を残したい―》
「トヲル、そいつをここへ投げ入れろ!!」
死体を引き剥がしながら、コウヅキがこちらに向かって叫ぶ声が聞こえてくる。
それほど距離は離れていないはずなのだが、トヲルには遠い場所から聞こえてくるように感じられた。
トヲルは開いているエレベーターの前で座り込み、呆然とその光景を眺めていた。
何故か自分一人だけ、逃げようという気にはなれなかった。
コウヅキの放った銃が、こちらに向かって床を滑ってきた。それは丁度座っているトヲルの膝に当たり、止まった。
自分にはもう、何も残されてはいない。
先程まで停止していた思考が溶けるように、ゆっくりと動き出すのを感じる。
(父さんも母さんも伯父さんも、もういないんだ)
目が、両親の姿をしたモノ達を捉えた。
不意に以前、ペルギウスが言った言葉を思い出した。
《「生きた証」を残したい―》
「トヲル、そいつをここへ投げ入れろ!!」
死体を引き剥がしながら、コウヅキがこちらに向かって叫ぶ声が聞こえてくる。
それほど距離は離れていないはずなのだが、トヲルには遠い場所から聞こえてくるように感じられた。