うさぴょん号発進せよ
見るとそれは先程トヲルが持って行った、コウヅキの銃だった。

あの爆風でこのような所にまで、飛ばされてきたというのだろうか。

それでは、トヲルは一体どうなったのか。

煙は徐々に晴れてきている。灯りは既に消えていたが、辺りはぼんやりとしていて少し明るかった。

制御室とこの部屋とを隔てていた壁は疾うに崩れ、跡形もなくなっている。

煙の向こうからは、何かが弾けるような音が聞こえていた。それが晴れてくるとともに、複数の人影も浮き出てくる。

すぐにその中で、トヲルの姿を確認することはできた。

だがコウヅキは、顔を曇らせる。その姿を捉えた瞬間、明らかに普通の状態ではないことに気付いたからだった。

トヲルの身体が、白く光っていたのである。
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