うさぴょん号発進せよ
一瞬弱まる気の流れ。その瞬間、ペルギウスの姿がフッと消えた。




「なんで虐めるの?」

少女は顔を両手で覆い、涙をぽろぽろと流して泣きじゃくっていた。

「なんでみんな、アイを虐めるの?」

背後から手が静かに伸びてくる。だが彼女はそれに気付いていない。

その手が少女の頭に触れた途端、強い衝撃が全身を襲う。同時に発光もしていた。

ペルギウスが背後から、電撃をアイの身体に流したのだった。

アイの髪は逆立ち、着ていた服は焼け焦げ、全身が痙攣している。

ペルギウスのほうも黒い渦の中で、無数にある凶器に身体を切り刻まれていた。結界はまだ維持できていたが、やはり全てを避けることはできない。

鮮血が辺りに飛び散っていた。しかしペルギウスはそれでも構わずに、電撃を少女に流し続けていた。

声を上げることすらできなかった少女の身体は間もなく、破裂音とともに一瞬で砕け散った。それに伴い、黒い気も掻き消えるように消えていった。
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