うさぴょん号発進せよ
《これはあの「闇の者」に会った時から考えておったことじゃが、可能性として「地の者」以外にも「寄生」できるのではないのか、と。
現にあの「闇の者」は、人間に「寄生」しておったからの》

「!ちょっと待って。『闇の者』って、あの女の子のこと!?」

《無論じゃ。もっとも我にはあの者が最後まで、「闇の者」だという確証はなかったのじゃが》

「でも、だとしたらその女の子、どうなっちゃったの?『闇の者』に『寄生』されてたんだったら、その女の子の身体は生きてたんじゃないの?」

ペルギウスが以前「生きているモノにしか寄生できない」というようなことを言っていたのを、思い出したのである。

《あの身体(もの)は既に、死者じゃった。》

「そんな…」

《我にもそれは信じられぬかったが、近付いて確認したから確かじゃ。
試しに中にいる「闇の者」を倒すつもりじゃったが、我の力加減が上手くいかず、身体ごと壊してしまったがな》

(それじゃあ…あの娘は、ペルと同じ?
ならペルにも、あんなことができるってこと?)

死者を操っていた少女。

それと同じことを、ペルギウスにもできるのだろうか。

「…ペル。ひょっとして、母さんの身体を使って僕を殺そうとしたのって、ペルなんじゃないの?」

《母さん?…ああ、あれは主の母じゃったのか。
そうじゃ。我の力が、あの身体を動かしたぞ》

ペルギウスは、あっさりとそれを認めるのだった。
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