うさぴょん号発進せよ
「非道い!」

トヲルは自分の中にいるペルギウスに向かって、声を荒げた。心の奥底から怒りが込み上げてくるのを、押さえることができなかった。

「非道いよ、何でそんなことするんだよ!
僕の母さんの身体を勝手に…、あんまりだよ!!」

《其方は何か、誤解しておるようじゃな》

初めて感情をぶつけられたペルギウスだったが、いつもと変わらぬ口調で言った。

《確かに我はその手助けをしたが、あれはあの者達の意思じゃ。
意識体だけの我は、あの者達と意思疎通――つまり、会話をしたのじゃ》

「えっ!?会話??」

《正確な表現は少々異なるが、肉体という「枷(かせ)」のなくなった我には、意識体同士で互いの心を通わすことも可能なのでな》

トヲルは今まで、ペルギウスの能力をいくつか見せられてきたが、そのようなことまでできるとは驚きだった。

《そこで我はあの者達に、思考を伝達したのじゃ。「我なら、主を助けられるかもしれぬ」とな》

「『助けられるかも』…て?」
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