うさぴょん号発進せよ
《うむ、これは一種の賭けじゃった。あの「闇の者」を見ておったら、可能性は割合低くもないじゃろうと鑑みたのじゃ》

(それって…)

逆にいえば『助からない可能性もあった』ということなのだろうか。

《返事はすぐに返ってきた。「力を貸してほしい」と。
そこで我はあの者達に、少量の力を与えたのじゃ。我もあと数分で尽きる命じゃったから、それほどの力は残っておらぬかったが。
しかしあの者達の「想い」は余程深かったとみえる。あのような暴挙に出ようとは、我にも予測ができぬかった》

「それじゃあ、それが父さんと母さんの意思だっていうの?」

トヲルは愕然とした。まさか本当に、両親が自分を殺そうとしていたなんて。

《そうじゃ。》

ペルギウスがトヲルの中で、強く頷いたように感じられた。
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