うさぴょん号発進せよ
「な、何!??」

何故殴られたのか分からないトヲルは頭を押さえ、驚いてコウヅキの顔を見詰めた。

「お前あン時、死のうとしてただろ!?」

「あ…あんとき???」

怒ったような口調で、いきなりそんなことを言われても、なんことなのかさっぱり分からない。

「オメーが俺の銃を持って、逃げようとした時だよ。あんなんで逃げられるわけねぇだろうが。大体、時間稼ぎにもなりゃしねぇよ」

「う…」

全く反論できなかった。自分自身、後々冷静になってよく考えてみるとアレは、自分らしからぬ無茶な行動をしたと思っていたのである。

「いいか、よく聞け。ああいう時は、だな。
自分が生きることだけを、生き延びることだけを考えるんだ。
勿論、周りで何が起こっていたとしても、だ。
もう二度と、あんなことは考えるんじゃねぇぞ!
絶対に俺が許さねぇからな。
わかったな!」

「…うん」

一方的にコウヅキは捲し立てる。その迫力に圧倒されつつトヲルは殴られた頭をさすり、小さな声で返事をした。
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