うさぴょん号発進せよ
「タスクが残した借金を今後どうしゅるか、という話なんでちけど」

船長が最初に、こう切り出した。

「タスクの身辺を調べてみたでちが、他に身寄りもなく、借金を相続する者がいないんでち。つまりそれは、何れ無効になるということでちね」

「…俺が代わりに返すことはできねぇのか?
俺はオヤジが今までこの船でしてきたことを、ずっと見てきた。それを『無』にしたくはない」

コウヅキは考え込みながら、口を挟んだ。

「しょれは、難しいかもちれないでちね。君達が何らかの形で養子縁組などをしていた場合なら、あるいは可能だったかもしれないでちけど」

この星の法律では借金のある者が所在不明、あるいは死亡の場合、その権利は一番近い親等に移ることになっている。

コウヅキもミレイユも、タスクとは血の繋がりがない。よってその借金を代わりに返済する義務は、皆無であった。

「しょこで…ちょっと、ややこしいことが判明ちたんでち。トヲル、君に関することなんでちけど」

「へ?僕??」

トヲルは首を傾げた。
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