うさぴょん号発進せよ
今の話の流れからでは、全く自分には関係のないような気もするが。

「実はタスクの借用書にも、君のご両親の記名がされていたんでち」

「は?…ええと、それってどういう…?」

「つまり君のご両親は、タスクの保証人にもなっていたらしいんでち」

「!ちょ、ちょっと待ってください」

トヲルは即座にその意味を理解出来なかったが、しかし船長は話を先に続ける。

「借金の相続人がいない状態で、ここにきて新たな保証人が現れた。ということは――」

「要するにオヤジが負担するはずだった借金まで、コイツが支払わなければいけないことになった、てことか」

それを聞き、あからさまにガクリとトヲルは項垂れた。あまりにもショックが大きすぎて、声も出ないほどである。

(伯父さんの借金もまだ残っているのに…父さん、母さん、どこまでお人好しなんだよ)

「いいぜ。それを返すのは、俺も手伝ってやる」

「え!?」

トヲルは驚き、顔を上げてコウヅキを見詰めた。
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