うさぴょん号発進せよ
「最終的に辿り着いたのが、兄たちのところでした」

「トランス様と、アシュレー様ですね」

「兄たちの配下の者が私の顧客に接触し、何らかの実験に協力するよう勧誘していたようです」

「その実験が、あの研究施設で行われていたのですか」

「施設のセキュリティが厳重だったため、詳しい情報は入ってきていません。が、表向きではバイオ研究所となっているあの施設で、『生物兵器の開発』も行われていた、ということまでは確認済みです」

(コウヅキ達が見た、無数の入れ物に入れられたという死体。それがその実験のなれの果て、なのかしら)

ヴェイトはコウヅキの話を思い出した。

「兄たちの動向を監視していた私の部下からの報告では、その間にも数回ほど、例の惑星の調査もしていたようですね。引き続き探りも入れてみましたが、どうやらあの鉱物が目的というわけでもないようでしたし」

(そういえばあのお二方は結局、鉱物を発見することができなかったのよね)

しかし常に、地形が変化し続けているあの惑星ならば、それはあり得ないことでもないだろう。
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