うさぴょん号発進せよ
「え!?…ちょ…っ、嘘でしょ!?」

突然、女は驚いて立ち上がり、モニターの一つを凝視したのだった。

「ありえないわ、こんなの。なんでいないの!?」

それは、ある部屋の中を映している監視モニターだった。だがそこには、誰もいない。

「ここから一体、どうやって逃げたっていうの!?ちゃんと強力な結界装置が、作動しているはずなのに!」

女は、かなり焦りながら、モニターを切り替え続けた。しかし女の探し求めている人影は、どこを映しても見当たらなかった。

このままでは、監視当番をしている自分の責任が問われるのは、間違いない。

「ねえ、それって、面白い?」

背後から、少女の声が聞こえてきた。

それは、この部屋で聞こえてくるはずのない声。

女が探していた声だった。
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