うさぴょん号発進せよ
「…ったくっ。ここのシステム古すぎだぜ。俺のID入れなきゃならねぇなんてよ。侵入者捕まえる命令するんなら、もっと強化しやがれってんだ」
コウヅキは何やら、ブツブツと独りで文句を言っている。
その間にも、腕輪のモニターを見たり、ボタン操作をしていたりと、悪戦苦闘している様子だ。
「ピッ」という電子音が鳴り、漸く門が開いた。
やっと門から出られた開放感からか、コウヅキは外に出た途端、両腕を上げて大きく伸びをした。
「で結局あのヒト、何の目的でここへ侵入したんです?」
「さぁな、俺が知るかよ。て言いたいところだけど大方、産業スパイかなんかだったんじゃねぇの?ああいう業界には、よくある事らしいからな。ま、何れにせよ、上から命令されただけの俺には、関係のない話だ」
コウヅキは胸ポケットから、銀色の小さなケースを取り出しながら答えた。
更にトヲルは一応、心配になって聞いてみる。
「あの、僕も部外者なんですけど、入って大丈夫だったんですか?」
「別に大丈夫なんじゃねぇの?ID持ってる俺が許可してるんだし」
随分軽いノリである。
(いいのか?それで…)
コウヅキから燻らされる紫煙を眺めながら、トヲルは益々心配になった。
コウヅキは何やら、ブツブツと独りで文句を言っている。
その間にも、腕輪のモニターを見たり、ボタン操作をしていたりと、悪戦苦闘している様子だ。
「ピッ」という電子音が鳴り、漸く門が開いた。
やっと門から出られた開放感からか、コウヅキは外に出た途端、両腕を上げて大きく伸びをした。
「で結局あのヒト、何の目的でここへ侵入したんです?」
「さぁな、俺が知るかよ。て言いたいところだけど大方、産業スパイかなんかだったんじゃねぇの?ああいう業界には、よくある事らしいからな。ま、何れにせよ、上から命令されただけの俺には、関係のない話だ」
コウヅキは胸ポケットから、銀色の小さなケースを取り出しながら答えた。
更にトヲルは一応、心配になって聞いてみる。
「あの、僕も部外者なんですけど、入って大丈夫だったんですか?」
「別に大丈夫なんじゃねぇの?ID持ってる俺が許可してるんだし」
随分軽いノリである。
(いいのか?それで…)
コウヅキから燻らされる紫煙を眺めながら、トヲルは益々心配になった。