うさぴょん号発進せよ
人類が太陽系から飛び出し、他の惑星へ移住してから約数百年が経過した。

人々は6つの惑星へ散り、更にその地上において幾つかのドームを建造し、そこで生活している。

地球汚染が深刻化してしまい、人類がこれ以上の悪化を食い止めるためにも、地球を出ざるを得なかったわけだが、他に人類の住める惑星などなかった。

そのため、地上をドーム型の屋根で覆い、その中で人間が生活できる環境を整えているのである。

例えば酸素供給等は勿論のこと、太陽と同じ成分で作った物質も空中に打ち上げていた。

朝になると、常に打ち上げてある人工太陽を徐々に点灯させて、ドーム内を照らす。そして夕方には、それをまた少しずつ消灯して暗くする。

このように人間が生きていくため、人工的に地球と同じような環境を造り出しているのである。そしてその慣習は数百年もの間、どのドームでも守られてきたことであった。

勿論、この第3惑星アジャール内の各ドームも例外ではない。

その上、ドームは各々が太いパイプのようなモノで繋がれていて、それぞれが行き来出来るようになっていた。

トヲルも先程までは大学のある、リバーズ・カレッジ・シティ周辺のドームにいたのだった。
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