うさぴょん号発進せよ
「は?」

ミレイユが、突然のトヲルの問いに目を丸くした途端、

「人の妹に、訳の分からないことを指差して言うなっ!」

ポカリッと、コウヅキに頭を殴られた。しかし。

「ちょっ、ちょっとお兄ちゃん!?ヒトの頭を簡単にポンポン叩かないでって、いつも言ってるでしょう?」

逆にコウヅキが、ミレイユに怒られる。

「あぁー…いや、そこに殴りやすそうな頭があると、つい…な」

コウヅキは、あさっての方向を見ながら言った。さながら母親に叱られ、苦し紛れの言い訳をする子供のようでもある。

(そんな理由でコウヅキは今まで、僕の頭を…)

何故かは分からないが、無性に悲しくなってきた。

「コホンッ」

突然別の場所から、咳払いのようなものが聞こえてきた。
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