うさぴょん号発進せよ
「と、いけね。そうだった」

コウヅキが気付き、

「アレが、俺にあんたを連れて来るよう命令した、この船の船長だ」

このフロアには、マシンのような物が数台置かれていて、窓は三方向見渡せるほどに広かった。この部屋の構造からすると、どうやらここは操舵室のようである。

コウヅキの目線の先には、そのマシンを操作しているヒトが一人いた。

シルバーブロンドの髪を肩で切りそろえ、縁なし眼鏡をかけており、あまり化粧っ気のない、一見地味な事務職員風の女性である。

トヲルには女性かどうか自信はなかったのだが、そのヒトは先程コウヅキが殴ったヒトと同じ、メグ族だった。

しかし全くこちらには見向きもせず、ただ黙々とマシンを操作している。船長という感じでもない。

更にその先には、一見メイド風で、赤茶色のショートな髪に、白いフリルの付いたカチューシャと、紺色のエプロンドレスを着ている女性もいた。だが。

(もしかして、人形?)
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