うさぴょん号発進せよ
例え今まで、その椅子の大きな背もたれに隠れて、見えていなかったとはいえ、そこにヒトが居たことに全く気が付かなかった。
トヲルがそこに現れたヒトに驚いていると、その2歳〜3歳程に見える赤ん坊が、いきなり椅子の上に立ち上がり、身体の後ろで両手を組みながら言った。
「わたちが、この船の船長をやっている者でち」
鈴を転がしたような、可愛らしい声だった。言葉遣いも舌足らずで、明らかに幼児言葉である。
トヲルはこの状況に、困惑していた。
思わずコウヅキの方を見る。が、助け船を出したのは、コウヅキではなかった。
「船長は人間じゃなくて、異星人なんだよ」
「あ!ああー、そっか」
何故直ぐに気が付かなかったのだろうか。それならば説明は付く。
他星との交流が盛んな現在では、かなりな数の星との交流がある。当然トヲルの知らない惑星種族がいたとしても、何等不思議ではないのだ。
「ちゃあ早く、コウヅキ。ぐじゅぐじゅしてないで、こちらへ連れて来なちゃい」
船長の口調は明らかに怒っているようだったが、しかしそれは赤ん坊が駄々をこねているようにしか、聞こえなかった。
トヲルがそこに現れたヒトに驚いていると、その2歳〜3歳程に見える赤ん坊が、いきなり椅子の上に立ち上がり、身体の後ろで両手を組みながら言った。
「わたちが、この船の船長をやっている者でち」
鈴を転がしたような、可愛らしい声だった。言葉遣いも舌足らずで、明らかに幼児言葉である。
トヲルはこの状況に、困惑していた。
思わずコウヅキの方を見る。が、助け船を出したのは、コウヅキではなかった。
「船長は人間じゃなくて、異星人なんだよ」
「あ!ああー、そっか」
何故直ぐに気が付かなかったのだろうか。それならば説明は付く。
他星との交流が盛んな現在では、かなりな数の星との交流がある。当然トヲルの知らない惑星種族がいたとしても、何等不思議ではないのだ。
「ちゃあ早く、コウヅキ。ぐじゅぐじゅしてないで、こちらへ連れて来なちゃい」
船長の口調は明らかに怒っているようだったが、しかしそれは赤ん坊が駄々をこねているようにしか、聞こえなかった。