うさぴょん号発進せよ
ビルホークは酒瓶を口から離し、手の甲で乱暴に拭うと、

「これで準備は整ったな。あとは…」

そう言って工具を取り出し、一人で何やら作業をし始めた。

トヲルは辺りに充満している、酒の匂いに酔いそうになりながらも、黙ってそれを見ていた。

がやがて、そのまま何もせずに、ただ立っていても仕方がない、ということに気付いた。

「あの、ビル艦長。次に僕は一体、何をすれば…?」

ビルホークは作業に夢中だったが、その声に腕を止める。

「なんだぼうず、まだ居たのか。今日はもう用はないから、戻っていいぞ」

「は、はい!」

トヲルの顔が、ぱあっと明るくなった。
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