うさぴょん号発進せよ
「拘束、って?」

トヲルは半ば、呆然として聞き返した。

「うむ。ちょれが上からの命令なんでち」

「『上』っていうと、あの…『ゴードングループ』って、ことですか?」

「もちろん、ちょうでち」

「じゃあこの船って、やっぱりゴードン商会の船なんですか?」

最初にコウヅキが『ゴードン商会』だと名乗っていたことを、思い出した。

しかし、商会の仕事をしているようには見えなかったので、まだ半信半疑だったのである。

「確かにこの船は一応、『ゴードン商会』に属してはいるでちけど…」

何故か船長は、奥歯に物が挟まったかのような、歯切れの悪い答え方をした。

「要するに『ゴードンのためだけ』に、『強制労働』をさせられているような連中が、集まった船なのさ」

代わりにコウヅキが答える。
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