うさぴょん号発進せよ
「コウヅキ…そんなストレートに、ミもフタもないようなことを言うもんじゃないでち」

「だって本当のことだろ?ここの連中は皆、ゴードンローンに多額の、億単位の借金をしてるような奴らばかりが、集められているわけだしさ」

「まあ、確かに」

ここで船長は、また一つ咳払いをし、

「わたち達は皆、ゴードンローンに多額の借金を抱えている者達でち。
ちかち、『強制労働』というのは間違いでち。
わたち達はちゃんと、ゴードンへの奉仕時間を、借金返済のために費やちているでちから」

つまりは、ゴードンに命令されるままに働くことで、借金を返済しているということなのだろうか。

だがそれが億単位ともなると、一体どれ程働けば完済できるのか。かなり気の遠くなるような話である。

トヲルは後で知ったのだが、この船は元々が、船長の持ち物だったらしい。

だが船長も借金のため、泣く泣くこの船を担保に出し、結果ゴードンに渡してしまったようである。

そしてその持ち主となったゴードン商会の社長が、会社を経営する傍らで、この船も運営している、ということであった。
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