うさぴょん号発進せよ

第6節 拘束中での手伝い

今日の仕事は、ゴードン商会が所有している倉庫の整理だった。

中に入った途端、カビの臭いが鼻につく。

「うわっ、これ全部一人で片付けるのか。しかも今日中に」

トヲルは高い天井まで乱雑に積み上げられている箱を、呆気にとられながら見上げた。

幸いにも、部屋の広さはそれほどではない。しかし高さはあった。

「一人じゃないよ。私もいるよ」

背後の出入り口から出てきたのは、ミレイユだった。

「ミレイユ…あ、もしかして手伝いに来てくれたの?」

「トヲル一人じゃ終わらないだろうからって、船長に頼まれたの」

(あの船長が応援を寄越すなんて、珍しい)

自分を信用していないだけかもしれない、という考えも、一瞬頭を過ぎる。

「あとコレも、そこの営業所で借りてきちゃった」
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