うさぴょん号発進せよ
「あともう少しだね」

近くの売店で買ってきたサンドイッチを頬張りながら、ミレイユが話しかけてきた。

時刻は正午過ぎである。

トヲルとミレイユは、倉庫外の壁に寄り掛かって並んで座り、昼食を食べていた。

先程ミレイユが、このペースだとあと1時間くらいで終わりそうだ、と言っていたのを思い出す。

トヲルだけで作業をしていたら、これほど早く終わらせることは、先ず不可能だっただろう。

作業中、的確な指示を出すミレイユの手際の良さに、トヲルは舌を捲くのだった。

「ミレイユはこういう仕事を、ずっと小さい時からやってるの?」

ふと思い付き、何気なく聞いてみる。

「うん。でも、そんな小さな頃からじゃないよ。
最近になってやっと少し、お父さん達の仕事を手伝わせてもらえるようになったんだし。でも、全然役に立ってないんだけどね」

舌を出し、へへっと笑った。
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