NOT inosent love
「かなちゃんの好きな人って誰?」
そんな話題が上るようになった、小3の春。
私には異性として意識してしまう感情と、恋愛感情の区別がなかなかつかなかった。
「私は、長瀬君と岡野君、どっちが好きなんだろう?」
本当にずっと悩んでいた。
友達は笑って、
「どっちもっていうのもアリじゃん?」
とか言うので、なんだか大人だなとかぼんやり思っていた。
お互い意識し始め、前にも増して私とあまりしゃべらなくなった岡野君。
多分…いや絶対、
周りからのひやかしも原因のひとつだろう。
同じ班だから一緒に帰ることがあるだけなのに、この頃の男子はそういうのをからかうのが大分お好きだったようだ。