NOT inosent love
それでも帰り道が一緒なので、一緒に帰ることもあった。
2人きりだと距離があく一方だけど、自然と仲介に入ってくれてる1つ下の春香がいれば、なんとか普通に会話ができた。
そんな状態のまま、1年がすぎた。
「おれ、転校することになった」
微妙な距離が開いたままだった、彼から告げられた別れ。
ショックだった。
引っ越しの日が近づくにつれ、寂しさが募る。
今更、噂とか気にしないで普通にあの頃のように笑い会えていたら良かったと後悔した。
大切なものは、
いなくなってから分かる。
その言葉の意味を、初めて身を持って知ったのが、その年の秋ーーー
何かしてあげたい、
でも所詮小学生。
出来ることが限られていた。