NOT inosent love
男子にこんな風に手紙を書くのは初めてだ。


手がものすごい汗ばみ震えて、なかなか筆が進まない。



「私は、小学校のときから・・・・」



言葉にすると、こうやって気持ちを形にすると、なんだか新鮮で恥ずかしかった。


可能性があまり無いのは分かっていても、やはり少しばかり期待を持ってしまう。彼ともしうまくいったら、なんて想像してしまう。






そうこうしながら完成した手紙。




「いつ渡せばいいんだろう?」

「んー。やっぱり下駄箱に入れとくとか」


「それじゃ、一緒に下駄箱に降りてきた人とかに見られちゃうよ」



私は、告白したことが噂になることを一番恐れていた。彼の周りにはいつも男子がいて、とても慕われていた。

噂になんかなったりしたら、恥ずかしくて学校に行けなくなる・・・





そんな風に一日中チャンスを狙い続け、やはり投げやりになった私は、どういうわけか廊下に放置して在った彼の鞄の中に、


誰も見ていない隙に例の手紙を放り込んでしまったのだ。




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