NOT inosent love
「鬼ごっこしようぜ!」



「やるやる!可南子もおいでよ。人数足りなくてさ」





マラソン大会も終わり、やっと走ることがなくなる。と安堵していた私を、友達の真知が誘ってきた。




走るのは嫌いだけど、遊ぶとなると心が躍る。

でも、足が遅いから周りに迷惑をかけてしまうのが一番いやだった。





それでも、なかなか自分から遊びの輪に入れない私を気使ってくれた友達に笑顔で答え、今日こそは簡単に捕まらないぞ。と単純に思ったりしていた。






小学生の間、何度も同じようなことを思っては挫折の繰り返しだったんだけど。







手を牽かれて校庭に駆けていく。




少しばかり気が重たかったけど、やっぱりこの年の頃は寒いとかよりも、外に出るだけでわくわくした。






冷たい空気、温かい友達の手。



笑い声に満ちた校庭には、今にはない小さな喜びがあちこちにある。
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