NOT inosent love
「ここでまっててね。絶対だよ」
千鶴が顔を赤くし、潤んだ瞳で戦地へと…先輩を呼び出した場所へと向かった。
「千鶴、大丈夫かな。」
私が一緒にいた真知に尋ねると、
「いざってときはやる子だからね。きっと大丈夫」
と笑顔で答えてくれた。
10分も経たないうちに、彼女は小走りで帰ってきた。
えへへ、と笑ってはいるが私たちと目を合わせない。
「千鶴…」
彼女の目の前に立つと、スッと震える右手を差し出してきた。
「ダメだった。けど、第2ボタンは無理やりいただいてきたよ」
冗談めいて笑う彼女。無理して笑ってるのはわかっていた。
千鶴の瞳から涙があふれ出たとき、私たちは後者の影に隠れて抱き合い慰めあった。
「卒業なんてやだよ。そばにいたかったよー…」
「うん。うん。よく頑張った、千鶴!」
卒業式の間も、彼女は綺麗で素直な涙を流していた。
「私も先輩みたいに頑張るんだ!」
今は無理をしていても、前向きでいればいつか立ち直れる。
そう信じて。