NOT inosent love
春休みに入っても、長瀬君からの返事はない。




席が私の後ろなので、プリントを回す度に胸がキュンと痛んでいた。




やっとクラス替えがある。



もういっそ忘れ去りたかった。






「私が聞いてきてあげようか?」




もうそれしか手段がなく、私は千鶴にお願いすることにした。






返事を返さない、という気持ちの伝え方もあるんだ。と知った。





それは興味がないということ。






私からしたら生殺しのようなものなのに。





そして返事はやはり


「可南子がかわいそうだったから、返事が返せなかったんだって…」





そっか。





わかってたけどね。



長瀬君らしいや。





時間が開いていたからか、十分に覚悟できていたからか、涙はもう出てこなかった。

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