NOT inosent love
その頃私は美術部で、クラスではあまり仲の良い友達が少なく素が出せない分、
部活の先輩や後輩と意気投合し、作品に打ち込んでそれを半ば生きがいにしていたようなものだった。
「可南子ー、引退したくないよー。可南子と離れたくないっ。美術部は頼んだよ」
じゃれあいながら、限られた先輩たちとの時間を目一杯楽しんでいた。
美術部は、少し病んでいたりクラスになじみなくかったりという子を、顧問の先生が引っ張り込んできたような形で入部した人もいた。
だからこそ結束が強かったのもあるけれど、次期部長が確定している私に新たな悩みができた。