NOT inosent love
「あ、俺入部したから。ま、よろしく」
くっそー。あったり前のように居座ってんなよ…
と内心拳を握りしめ、部長としての初めての部活を開始した。
「なぁ、瀬戸田ってこのマンガ知ってる?」
とさも普通のように話しかけてくる。
まぁ部員なわけだし、コミュニケーションも必要かなと思いその本を見てみると、
「ああ、湯本も知ってんだ。」
…と思ったよりも話が合ったり。
「えっ、部長って湯本先輩と同じオタクだったの?」
「違うし!湯本と一緒にすんな」
「なんじゃ、その言い種。瀬戸田ってなんか同じニオイ感じてたんだよな」
なっ!
盛り上がる美術室。
生意気言ったりするけれど、不思議と嫌じゃなかった。
割と良い奴なのかな、とまで思ったり。
周りの後輩たちも群がってきて、湯本はあっという間に美術部にとけ込んでしまった。