NOT inosent love
こぎ出すとやめられない、鎖がちょっと錆びてるブランコ。
滑り台は滑って遊ぶ子もいれば、その下でも子どもたちが走り回っている。
「みんな集まったかー?」
私のクラスのガキ大将的な存在の杉原が、例の滑り台の下で声を弾ませて言った。
「てか杉原、鬼ごっこは飽きたよ。助け鬼やりてぇ」
「そうだな!助け鬼やりたいひと~」
集まった7~8人がほとんど手を挙げる。
なぜだか今は助け鬼がブーム。
助けを待つあのハラハラ感がたまらないのだ。
「んじゃ、鬼やりたいひと!」
はじめ杉原しか手を挙げず、半強制的に何人か男子が鬼にさせられ、ゲームがスタートした。