NOT inosent love
「あらま、岡野さんとこのまーくんじゃないの。久しぶりね」
「お邪魔します」
小2のくせにやたら礼儀正しい彼に感心しながら、ランドセルを部屋の隅に置く。
祖母が嬉しそうにみかんやらココアやらを支度している間、宿題をこたつの上に出し始めた。
「岡野君は、クリスマス、サンタさんに何頼む?」
外の雪をわくわくしながら眺め、後一週間後のクリスマスに思いを馳せた。
すると彼は私の美しき信心をぶち壊す発言をしてきた。
「え?サンタなんていないよ」
「岡野君ち、こないの?」
「いや、だって親じゃん…
って、瀬戸田さん知らなかった?」
いやいやいや。
小2のころの私はまだ
なんとなく信じていたかった。
ココアを運んできた祖母も、私が当然知っていると思っていたらしく、彼に同意しながら笑っていた。
「し、知ってるし!」