怖話
僕がよく仕事の合間に行く喫茶

店、コーヒーを飲みに行った時

の事だ。

「いらっしゃませ、お好きな席

へどうぞ。」

僕はいつもカウンターに座る。

それも同じ場所。座った時の感

触、そしてその場所から見える

景色は同じだ。カウンターの中

には沢山のコーヒー豆が瓶の中

に入って並んでいる。

「どうぞ。」

差し出された水に違和感を感じ

た。

「一つでいいですよ。」

「あっ、すいません。」

従業員の女性が、慌てた様子で

水の入ったコップを手元に戻し

た。水を二つ出した。まぁ毎日

毎日水を出していれば癖で数を

間違える事もある。
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