怖話
「すいません、もう降りました

けど。」

「えっ!何言ってるですか?」

「いや何言ってるって、降りた

から降りたんですよ!」


「じゃあ、そこに座ってる人は

知り合いじゃないんですか。」


酔いが一気に醒めた。僕はアパ

ートに向かい、部屋まで走った

。階段を駆け登り、鍵を開け部

屋に飛び込んだ。


はぁはぁはぁ

息切れしている。部屋の中は真

っ暗だ。電気をつけよう。
慣れた手つきでスイッチを探し

ていると・・・

ズズッ、ズズッ、

暗闇の中から音が聞こえる。暗

くて見えないが、確実に近付い

て来ている。


何の音だ。
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