怖話
「高校二年の夏、肝試ししたの

覚えてる?」

懐かしい話の中で、今の時期に

ぴったりの怖い話に変わった。

「ちょっと待て、やめろって。



司が話を嫌がっている、運転し

ながらも僕と正樹の話に耳傾け

ているようだ。

「嫌だったら耳でも塞げよ。司

ビビりだな。」

「はっはっはっ。」

笑い声でいっぱいになった。

正樹が続けた、

「あのトンネルに行ったのは司

と俺と祐輔だった。司がビビっ

て一人入らなかったんだよ。」

「結局何もなかったんだな。」
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