怖話
「いや、遺書が見つかってるん

だよ。」

僕たち四人は顔を見合わせた。

じゃああれは一体誰だったのだ

ろう。

「ちょっと見にいこう。」
友人の一人が言い出した。
教室を飛び出し、先生のいた木

まで走った。



「たしかここに立ってたよ。」

「うん。」


友人の一人が、

「白衣。」

「んっ、そうだよ。白衣着てた

よな。」


「そうじゃない、白衣。」
友人は木を指差している。その

木には白衣がたなびいてヒラヒ

ラしている。
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