怖話
ドンドンドンドン

中からこちらに向かってくる足

音が聞こえる。

カチャ

「おー、久しぶり。入れよ。」

中からは見馴れた友人の釜田が

顔を覗かせた。

「お邪魔します。」

「悪かったな。遠いところまで

わざわざ。」

釜田は小さな台所で何か準備し

ている。

「お茶しかないんだ。」

急須に茶っぱを入れ、湯呑みを

二つ持ってきた。


「お茶うまくねぇよ。安いやつ

だから。まっいっか。」

「出されたもんは文句を言わず

いただくよ。」

僕は、住まいについて聞いて

みた。
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