怖話
髪の毛?

それは髪の毛だった。長い髪の

毛が、五、六本束になって浴そ

うに落ちていたのだ。

「あれ、僕が入居する前に片付

けしたんじゃないかなぁ。」

僕以外、誰も風呂場に入ってな

いはず。

「変だなぁ。」

髪の毛を、片付けないのもおか

しいので僕は、髪の毛を拾いあ

げてごみ箱に捨てた。
< 93 / 111 >

この作品をシェア

pagetop