片想い
係員に乗り物券を渡す。
「はい。中へどうぞぉー」
やる気のなさそうな声で案内された私達。
ベルトを締め、出発の合図を待つ。
「先輩・・・やっぱり俺じゃ・・・」
__ピリリリリリ
佐藤が何か言おうとしていたけど、出発の合図でその言葉はかき消された。
鉄の塊が上へ上がっていく。
空がどんどん近くなっている気がする。
あたしはレバーを強く握り締めた。
手汗がすごい。
すべり落ちたりしないよね・・・?
そんな不安を抱きながら、ジェットコースターは下へ90度に落ちていった。