片想い
放心状態のあたしは、黙ってジェットコースターを降り、入り口を抜けた。
そこで足が止まった。
なんで・・・?
なんでいるの・・・?
人混みの中に竜也の姿が見えた。
隣には女の人の姿が・・・
用事ってこれのこと・・・?
2人はあたしの存在に気付くこともなく、どこかへ行ってしまった。
「先輩・・・泣いてるんですか?」
涙が溢れていることに気付いた。
「ッ・・・ごめん。グスッ・・・」
「大丈夫・・・じゃないですよね」
佐藤は苦笑いしている。
「どこか行きましょう」
そう言ってあたしの手を取り、観覧車へ向かった。